FC2ブログ

売れ続ける理由

売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法

 人口たったの4700人しかいない町の小さなスーパー「さいち」に、イトーヨーカ堂の創業者や餃子の王将の社長がわざわざ見学に来た。大手コンビニやスーパーから研修の申込が殺到する。
 なぜならこのスーパーにしかない「秋保おはぎ」を求めて全国から人が集まるからだ。


 資金繰りに苦しむ佐藤社長は、わらをも掴む思いで商工会が主催した箱根の研修に借金でお金を工面して申込み出席する。
 なるほどと思う内容だったが頼みの資金がない。
 帰路の小田急線にしょんぼりと乗っていると同じ会に出席していたスーパーダイユーの大林勇社長が、自殺でもするんではないかと心配になって同じ席に座ってくれた。
 初対面にもかかわらず大林社長に資金繰りの苦しさを吐露するとその社長は、親身になって様々なノウハウを惜しげもなく語ってくれた。
 「お客様あっての商売だから、まずお客様に喜んでもらえる商売をやりましょう。ただ、売ってればいいというものではなないんだよ」
 そして、「まず勉強しましょう」と自分のところへ来て現実の経営を掴むようにと店に通って勉強するとうにと暖かい手をさしのべてくれたのだった。

 そして、1979年12月9日、主婦の店「さいち」はオープンした。急死した大林社長にかわって新社長となっていた大林社長の奥さんが自らダイユーの社員とともに手伝いに来てくれてのオープンだった。
 「さいち」の佐藤社長は開店から5年間はスーパーの事務所のベニア板で寝泊まりし、家に帰る暇はなく、もちろん子どもと顔を合わせることもない、子どもが顔を忘れては困るとときどき挨拶にくるような生活だ。
 奥さんは、毎日朝の1時半から総菜作りにとりかかる生活に、開店から5年目に心臓が停止し、死の淵を彷徨い一命をとりとめる。

 価格競争に巻き込まれるのを避けるために9年目にチラシ広告を一切やめる。

 キャバレーに朝礼を学び、挨拶の出来る社員を採用し、おはぎや総菜のレシピを排除し徹底的に手作りにこだわる。
 そして従業員は、うちに就職した以上は絶対にしあわせになってもらうために社員を厳しく育てる。

 さいちのモットーはモノに心をいれるだ。
 ライバルは家庭の味で、添加物や保存料を使わないものを常に提供している。
 取引先とは信頼関係を重視し価格交渉は一切しないし、お酒もゴルフもしない。

 このようにして日本中からおはぎを求めて人が集まる小さなスーパーが生まれたのである。
 そして、「さいち」には研修の依頼が日本中から来る。
 スーパー「さいち」は、ライバル企業だろうが誰だろうが研修に来る者に惜しげもなく企業秘密を教え、上手い売り方や広告は不要だと教え、利益は後からついてくると説く。

 そして、今日も「秋保おはぎ」を求めて全国から人がこのスーパーに集まるのである。

関連記事
スポンサーサイト



Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する